Filecoinとは?(FIL)
初心者ガイド
Filecoinは、ファイル共有とストレージのサービスを行っているコンピューターオペレータのグローバルネットワークにインセンティブを与えることを目的とする、暗号資産です。
プロジェクトの創設者は、十分な数の人がFilecoinを導入すれば、インターネット上でデータを最も速く、最も安価に保存できるようになるだろうと話しています。さらに、中央の権力に依存しないため、ファイルの交換に政府やその他の機関の検閲が入ることはないでしょう。
その理由は、計算能力を提供してFilecoinの機能を支えている、マイナーによってFilecoin自体が維持されていることにあります。Filecoinのマイナーは、ユーザーがストレージスペースを利用できるようにすることで支払いを受けています。その代わりに、Filecoinのユーザーは、このデータのストレージ、回収または分配に対する支払いをしなければなりません。
Filecoinネットワークは、他のプロトコルより機能性に優れており、Interplanetary File System(IPFS)と呼ばれる方法で分散化されたファイルを取り扱っています。2つの仕組みには共通点が多くありますが、主な違いはIPFSが無料で使用できるところにあり、マイナーはそこからお金を稼ぐことはできません。Filecoinは使用料を負担していますが、収益も生み出すことができました。
ただし、投資家やトレーダーは、暗号資産を活用して分散化されたストレージとファイル共有システムを提供していると主張しているプロトコルはFilecoinだけではないことも知っておくべきでしょう。
競合のプロトコルには、Storjやシアコイン(Siacoin)があります。Storjはネットワーク容量が100ペタバイト以上に達したと主張しており、シアコインは2020年現在のネットワーク容量が2ペタバイトであると報告しています。
ただし、Filecoinがこれらの暗号資産のなかでもっとも広く期待されているかもしれず、2017年のイニシャル・コイン・オファリングでは、1回の資金調達としては業界最大規模となる2億580万ドルを調達しました。
2020年7月現在、Filecoinはテスト中であり、正式ローンチは2020年8月末 と予想されています。
Filecoinの開発者とは
FilecoinはProtocol Labsが構築したオープンソースソフトウェアで、同社は既存のインターネットプロトコルに取って代わることを目的として、IPFSやLibp2pといったテクノロジーも開発しました。
例えば、IPFSは、ウェブアドレスは「http://」という接頭文字列で始まらなければならないと規定する、ウェブのハイパーテキストプロトコルに取って代わる可能性のあるシステムです。
Protocol Labsは、スタンフォードでコンピューターサイエンスを研究しながらLoki Studiosというゲーム開発会社を共同設立した、フアン・ベネット(Juan Benet)が創設者となっています。同社は、2013年にYahooに買収されました。その後、ベネットはスタートアップを支援するY Combinatorに参加し、Protocol Labsを立ち上げました。
Protocol Labsは、Digital Currency Groupやスタンフォード大学のスタートアップ支援組織であるStartX、Coinbaseの共同創設者であるフレッド・エールサム(Fred Erhsam)氏、AngelListの創設者であるナバル・ラビカント(Naval Ravikant)氏といった、著名な投資家から資金を提供されています。
2017年8月から9月にかけて行われたFilecoinのイニシャル・コイン・オファリングでは、Sequoia CapitalやAndreessen Horowitz、Union Square Venturesといった、有力なベンチャーキャピタル会社から2億5,700万ドルが追加で調達されました。Filecoinのオファーリングは当時、同種のものとしては最大規模の資金調達でした。
Filecoinはどのように機能しますか?
FilecoinはDropboxのように小さな規模ですが、ブロックチェーンが対応しています。Filecoinネットワークにデータを保存したいと思うユーザーは、そのための料金をマイナーに支払わなければなりません。
支払額は、オープンマーケットで決定され、マイナーが競い合って最少価格を提示します。Filecoinではこのマーケットを「超競争的」にするとし、そのためAmazon Web Servicesのような中央集中的なデータストレージよりも料金を安くすると主張しています。
その反面、マイナーにとってはストレージを提供することがインセンティブとなります。Filecoinトークンでネットワークからのリワードを得られるチャンスがあるからです。より多くのストレージを提供すればするほど、マイナーはリワードを受け取るチャンスが多くなります。
しかし、これらのリワードは無料ではありません。マイナーは計算集約的な処理(プルーフと呼ばれています)を行い、データを保存しようとしているネットワークの存在とともに、所定の期間内にそのネットワークにデータを信頼できる方法で保存できることを証明しなければなりません。
マイナーが信頼できる方法でそれを証明し、十分なストレージを提供すれば、Filecoinブロックチェーン上に新しいブロックを構築し、ネットワークリワードと取引手数料を受け取ることができます。
レプリケーション証明と時空証明
ブロックチェーンは、ネットワークのすべてのユーザーが新しい取引に同意できるようにするために、プルーフと呼ばれるメカニズムに依存しています。例えば、ビットコインブロックチェーンはプルーフ・オブ・ワークに依存しているため、マイナーは新しい取引をブロックチェーンに追加し、新たに作成されたビットコインを請求する権利を獲得するために膨大な回数の計算を行ったことを示さなければなりません。
Filecoinは2つの新しいプルーフを使って、マイナーが保有していると主張するデータを実際に保存していることが確認しています。レプリケーション証明(Proof-of-Replication)は、マイナーが保有していると主張している、いくつものデータが実際に保存されていることを示しています。時空証明(Proof-of-Spacetime)は、マーナーがデータを同意された期間内に保存したことを示しています。
これらのプルーフを組み合わせることで、ユーザーはそのマイナーがデータを主張通りに保存していると信じることができます。
Filecoinストレージマーケット
これらのテクノロジーを使って、Filecoinは、データを保存したいと望むユーザーがディスクペースを持つマイナーが提示する空きストレージの入札に参加ででき、ディスクストレージのマーケットを提供しようとしています。
ディスクスペースを供給するマイナーは、その信頼性と提示されているストレージの価格によって判断されます。Filecoinのストレージマーケットは金融マーケットに似たものとなり、ユーザーはそこで売買ができるようになるでしょう。
Filecoinのマイニング
一般的には、Filecoinのマイナーはストレージを提供するユーザーということになります。つまり、ユーザーはハードディスクを活用し、Filecoinソフトウェアを実行すれば、ストレージマーケットでディスクスペースの提示ができるようになります。これらのマイナーは、ストレージマイナーと呼ばれています。
しかし、Filecoinのマイナーには、リトリーバル(回収)マイナーおよびリトリーバルサービスと呼ばれる、もう1つのカテゴリーがあります。
これらのマイナーは、データの回収、ならびにコンテンツデリバリネットワーク 内のノードとしてのキャッシングまたは参加といった、データ伝送をスピードアップするサービスによってユーザーから支払いを受けています。
なぜFILに価値があるのか?
Filecoinの暗号資産であるFILは、ネットワークに対応するネイティブトークンです。つまり、FILはストレージと回収、ならびにネットワーク上のその他の取引への支払いに使用されています。
Filecoinはストレージと時空のプルーフに依存しているため、そのネットワークは基本的に有用なサービス、つまりディスクストレージで構成されていることになっています。
Filecoinによれば、ストレージマーケットはAmazon Web Servicesのような中央集中的な企業よりも安い価格を提供するようになります。
Filecoinが企業や政府に簡単に介入されることのない分散化されたストレージサービスの提供に成功すれば、より多くのユーザーを獲得できるようになるでしょうし、さらに中央集中的なサービスが顧客の信頼を失うようになれば、その傾向はさらに強まるでしょう。
ビットコインと同じように、今後作成されるFILの総数にも限界があり、この場合は20億個のトークンが限界となります。
Filecoinネットワークが拡大し、より多くのユーザーがデータを委託するようになり、さらにより多くのマイナーがディスクスペースを供給するようになれば、FILを必要する取引の数も増加するはずです。入手可能なFILの数には限界があるので、FILの価格は上昇するでしょう。
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FILを利用する理由
既存の中央集中的なストレージプロバイダーは顧客の信用を失うかもしれないと考えているのなら、FILを考慮すべきです。
AmazonやMicrosoft、Googleといった中央集中的なプロバイダーは、特定のユーザーに対するサービスを修正、削除または拒否するように自治体または政府から圧力をかけられるかもしれません。それによって、中央集中的なストレージは信頼できないという認識が生まれるかもしれません。
このシナリオでは、FilecoinとStorj、シアコイン、Arweaveなどのライバルが味方になってくれるかもしれません。分散化のデザインは、中央集中的なサービスに代わるものとなるでしょう。
それ以外のFILについての好意的な意見としては、そのマーケットプレイスの提示する価格が既存のプロバイダーを下回るかもしれないということがあります。例えば、Filecoinは、世界のディスクスペースのかなりの比率が現在使用されていないと主張しています。金銭的なインセンティブと暗号技術によって使用されていないディスクスペースを解放できれば、ストレージ価格はさらに安くなるでしょう。
低価格と中央集中的なプロバイダーの信用低下の両方が、FILの使用を考慮する理由となっています。.
FILを購入してみる
それでは次のステップに進み、FILを購入してみましょう。