Synthetixとは?(SNX)
初心者ガイド
Synthetixは、現実世界の資産(米ドルなど)と暗号資産(Bitcoinなど)の両方をミミックする暗号資産をユーザーが新規にミントできるようにするソフトウェアです。
多数の新興分散型金融(DeFi)暗号資産の1つであるSynthetixは、仲介金融業者なしでコードだけを使って上記を可能にします。正確に言えば、Synthetixは単純にイーサリアムblockchain上で実行されるスマートコントラクトの集合体です。
つまり、Synthetixユーザーは、作成した暗号資産の管理を特定の機関や個人に任せる必要はありません。コードが書かれたとおりに実行されることを信用すればよいのです。
Synthetixでは、担保化と呼ばれるプロセスを使用して、上記の新しい資産を作成することができます。
Synthetixである資産を担保化するには、ユーザーはSNX暗号資産を購入する必要があります。SNXは、特別なコントラクトにロックされて、新たな資産(合成資産と呼ばれます)の作成に使用されます。
たとえば、米ドルの価値をミミックするよう設計されたある合成資産は、sUSDと呼ばれます。Bitcon価格をミミックする別の合成資産は、sBTCと呼ばれます。合成資産は、どのような資産に対しても作成できるにもかかわらず、金や銀のようなコモディティ、あるいはユーロやウォンのような現金と同様なのです。
合成資産は、オラクルと呼ばれる特殊なデータフィードを使用して他の資産の価値を追跡することができます。これによって、ユーザーはそれらの市場での収益や損失にアクセスできます。
2020年8月の時点で、Synthetixは、コントラクトに最大の価値がロックされているDeFiプロジェクトの1つであり、入手できるデータによれば、そのコントラクトには8億ドル以上がロックされています。
Synthetixの開発者とは?
当初Havvenというプロトコルとしてケイン・ワーウィックにより創設されたSynthetixは、2018年に6,000万HAVトークンを売却して3,000万ドルを調達しました。
Havvenの目標は、米ドルやユーロのような現金のパフォーマンスを、イーサリアムやEOSなどの多層ブロックチェーン上でミミックする暗号資産を開発することでした。
Havvenは2018年の終わりに、その目標を拡大するときを迎え、Synthetixにリブランドされて、暗号資産とコモディティのための合成資産の開発に向かいました。2019年には、Framework VenturesにSNXトークンを売却して、390万ドルを調達しました。
当初は非営利の財団に管理されていましたが、この財団は2020年6月に解散して、3つのDAO(分散自律型組織)が取って代わりました。
これらのDAOは、SNX暗号資産の保有者がプロトコルの変更に投票して将来についての決定を下すメカニズムです。
Synthetixの仕組みは?
Synthetixは2種の暗号資産を使用して、合成資産発行サービスを提供しています。第1の合成資産は、Synthetixのネイティブ暗号資産SNXです。第2は、どんな資産もミミックできる合成資産です。
合成資産を生成するには、ユーザーはSNXを購入してSynthetixプラットフォームに預け入れる必要があります。その代わりに、Synthetixはユーザーの好みの新しい合成資産を作成します。その後、ソフトウェアのルールによれば、ロックされるSNXの価値は、作成される合成資産の価値の750%以上を維持する必要があります。
ユーザーが合成資産米ドルのミントを希望しているとしましょう。ユーザーが1,000ドル相当のSNX暗号資産を預け入れると、ユーザーは133ドル相当のsUSDを受け取ります。
SNXエコノミクス
SNXは暗号資産であるため、その価値はオープンマーケットで決められます。その結果、循環内に存在できる合成資産の総量は、SNXの価格の上下につれて変動することになります。
たとえば、SNXの価格が上昇すると、システムは以前に作成された合成資産の保証に不要なSNXトークンを放出します。こうしたSNXトークンをプラットフォームに再度ロックアップして、新たな合成資産を作成することもできます。
たとえば、SNXの価格が2倍になったとします。その結果として、ロックアップされている1,000ドル相当のSNXの半分がリリースされます。ユーザーは、そのSNXを使用して、さらに500米ドル相当の合成資産を作成できます。
つまり、SNXの価格が上昇すればするほど、作成できる合成資産の量が多くなるのです。
ピアツーコントラクト(P2C)取引
Synthetixのもう一つの興味深い機能は、オラクルと呼ばれる価格フィードを使って、合成資産の価格を決める方法です。
合成資産間の交換が発生した場合、第1の合成資産(前述の例ではsUSDがこれに当たります)が最初に「バーン」されるか破壊されます。
次に、交換対象の合成資産(上記の例ではsBTC)が、オラクルからの価格フィードをもとに計算されます。すると、Synthetixプラットフォームが、そのユーザーのために適正量のsBTCを作成します。
Synthetixチームは、このシステムの長所は、通貨間の交換を行うのに、大量の注文や、中央集権型の取引所を必要としないことだと主張しています。
ユーザーは希望するときにはいつでも、マッチングを待たずに、確定した価格で取引できます。
なぜSNXに価値があるのですか?
Synthetixプラットフォームで新しい合成資産を生成するために必要であることから、SNXに、価値が生じます。
さらに、SNXをロックすると、ユーザーには、合成資産の取引時にプラットフォーム全体で生じる手数料の受領資格も生じます。手数料は通常、交換額の0.3%です。
上記の例では、1,000ドル相当のsUSDがsBTCに交換されました。
交換手数料が0.3%だとすると、SNXをシステム内にロックしているユーザーには3ドル相当が支払われることになります。こうした手数料は、毎週分配されます。2018年のシステムの立ち上げから、2020年8月までの間に、約930万ドル相当の交換手数料が支払い済みです。
SNXのステーキング
また、SNXをロックしているユーザーは、「ステーキングリワード」を受け取る資格もあります。これは、合成資産作成のためにトークンをロックアップしているユーザーにシステムが追加して分配するSNXトークンです。
ステーキングによって分配されるこの追加トークンの数量は、ソフトウェアルールによって決定されます。SNXの総量は、2019年から2023年までに1億枚から約2億6,000万枚に増加するように設計されています。
こうしたステーキングリワードは、SNXトークンをロックしているユーザーがさらにトークンを受け取り、ネットワークをサポートするための動機付けになることを意味しています。
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なぜSNXを使用すべきなのでしょうか?
暗号資産の世界で合成資産と分散型取引所が将来さらに普及すると思うのなら、SNXを使用したいと考えることでしょう。
さらに、SNXを購入してステーキングすれば、ネットワーク取引手数料の一部と新たにミントされたSNXを稼げるといった追加の収益も得られるのです。
利用できる合成資産の範囲の広さも、トレーダーをこのプラットフォームに引きつける要素です。したがって、暗号資産トレーダーが引き続きSynthetixをツールとして使用すると思うのなら、SNXトークンはユーザーにとって有用なものだと言えます。
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