yearn.financeとは何か?(YFI)
YFI暗号資産の説明
yearn.financeは、イーサリアムブロックチェーン上で動作するプロトコルのグループで、ユーザーは貸付けおよび取引サービスを通じて暗号資産の収益を最適化できます。
分散型金融(DeFi)プロジェクトの1つであるyearn.financeは、コードのみでサービスを提供し、銀行やカストディアンなどの金融仲介者を必要としません。これを実現するため、YFI暗号資産を中心とした自動インセンティブシステムが構築されました。
yearn.financeプラットフォームは、複数の独立した商品で構成され、これには次のようなものが含まれます。
- APY - さまざまな貸付けプロトコルの金利を示すデータテーブルです。
- Earn - ユーザーが資産を貸付けする際に得られる最高金利を特定します。
- Vaults - 他のDeFiプロジェクトから最高のリターンを生み出すように設計された投資戦略のコレクションです。
- Zap - 複数の取引をワンクリックでバンドルし、コストと労力を節約します。
ユーザーはyearn.financeプラットフォームを使用して、BalancerおよびCurveのDeFi取引プラットフォームで実行中の暗号資産をyearn.financeコントラクトでロックすることで、YFIトークンを獲得することができます。
このようにyearn.financeは、DeFiプロトコルの暗号資産をロックして、さらに多くの暗号資産を獲得する「イールドファーミング」と呼ばれる手法を採用しています。ユーザーがプラットフォームでロックする資産が増えるほど、プロトコルによって付与されるトークンの数も増えます。
運用開始の最初の1ヵ月で、yearn.financeプラットフォームは約8億ドルの資産を獲得しており、これまでで最も急成長しているDeFiプロジェクトの1つとなっています。
yearn.financeを作成したのは誰か?
yearn.financeは、独立系開発者のアンドレ・コロンジェ氏が2020年に立ち上げました。
注目すべきは、Cronje氏はyearn.financeプロトコル開発のための資金援助を受けておらず、立ち上げ前に自分自身のトークンを保留しなかったことです。これは、ベンチャーファンドから投資を募り、チームを組んでプロトコルを開発する一般的なDeFiプロジェクトとは異なる点です。
yearn.financeプラットフォームは2020年7月に、ネイティブ暗号資産のYFIを立ち上げています。
yearn.financeの仕組み
yearn.financeは、イーサリアムブロックチェーンや、Balancer、Curveといったブロックチェーン上で動作する他の分散型取引所にコントラクトを展開する目的で設計されたプロトコルです。
こうすることでユーザーは、YFIのコントラクト、およびBalancerやCurveの関連コントラクトが、宣伝されているサービスを提供できるようにイーサリアム上に展開されると信用するわけです。
貸付けおよび取引
yearn.financeのサービスの大部分を占めるEarn、Zap、APYは、ユーザーによる暗号資産の貸付けや取引を可能にすることを目指しています。
Earnは、ユーザーが貸付けの際に最良の金利を得るための方法であり、AaveやCompoundといった異なる貸付けプロトコルを検索して、最良の金利を見つけ出す仕組みになっています。
ユーザーは、DAI、USDC、USDT、TUSD、sUSDをyearn.financeのプラットフォームに入庫することで、その金利を受け取れるようになります。
同様に、Zapを使用すれば、ユーザーはワンクリックで複数回の投資を完了できます。例えば、yearn.financeとCurveのプラットフォームではDAI(別のDeFi暗号資産)をyCRVとスワップするためには3回操作が必要になりますが、Zapでは1回の操作で完了します。
これにより、ユーザーの時間、機会費用、トランザクション手数料を節約できます。
APY(年利率)とは、Earnが使用する貸付けプロトコルを検索し、一定量の資本に対し、年間ベースで獲得できる金利の概算をユーザーに提示するものです。
yearn.finance Vaults
yearn.financeの最も複雑なサービスであるVaultsにより、ユーザーはプラットフォームの自己実行コードを用いてアクティブな投資戦略を遂行できるようになります。つまりVaultsは、アクティブ運用できる投資信託のようなものです。
8月30日現在、Vaultsでは10の戦略を利用できます。
まだ実験段階ですが、これらの戦略はソリディティーで表現されており、ユーザーはVaultsの動作を理解するためにある程度のコードの知識が必要になります。
それでも、Vaultsへの投資は簡単です。yearn.financeのユーザーインターフェースでは、各戦略に対してDAIやUSDCなどの人気コインを入庫することができ、各戦略には過去の投資収益率が表示されます。
なぜYFIに価値があるのか?
YFIは、yearn.financeのプラットフォームを管理する暗号資産です。
これは、YFIトークンを所有する誰もが、ユーザーがyearn.financeを利用する際に守るべきルールの提案について投票できることを意味します。yearn.financeのコードで提案をルール化するには、50%超の投票を得る必要があります。誰でも提案を行うことができますが、投票できるのはYFIの保有者だけです。
投資家にとって注目すべきは、YFIは当初30,000トークンの固定供給でしたが、YFI保有者による投票が集まれば、この供給量が増加する可能性もあるということです。
それでもYFIは、暗号資産をyearn.financeでロックし、さらにBalancerとCurve上で動作するコントラクトでロックするようユーザーに促す目的で使われるため、YFIの価値は守られます。
例えば、YFIを所有する人は誰でも、プロトコルによって収集された収益を、手数料という形で受け取ることができます。yearn.financeでは、Vaultsサービスに対して5%、VaultsとEarnに対してそれぞれ0.5%の手数料が設定されています。yearn.financeのシステムでは手数料のうち50万ドルを保持し、残りをYFI保有者に分配します。
調査サービス会社のMessariによると、YFIトークンの立ち上げから1週間以内に46万ドル以上の手数料が蓄積されています。つまり、年間で最大2,100万ドルの手数料が積み上がる可能性があるということです。
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YFIを使用すべき理由
yearn.financeプロトコルは、カストディアンや仲介業者に資金を預けることなく、暗号資産の金利を得たい場合に役立つプロトコルです。
YFIトークンは、yearn.financeが今後も金利や保有資産の利回りを求めるユーザーを惹きつけるであろうと考える投資家にとっては、興味深い投資となるはずです。
注:yearn.financeおよびその他のDeFi暗号資産はまだ極めて実験的な資産であり、業界の最も経験豊富な専門家でさえまだ予見していないリスクにさらされる可能性があります。
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