MakerDAOとは?(MKR)
初心者ガイド
MakerDAOはイーサリアム上で実行されるブロックチェーンプロトコルで、コンピューターの分散ネットワークにインセンティブを与えることで、米ドルの価格に追随する暗号資産であるDAIの維持を目的としています。
新興の分散型金融(DeFi)暗号資産の1つであるMakerDAOは、それ自体がMakerプロトコルと呼ばれている巨大なシステムの一部となっており、暗号資産を組み合わせることで、銀行または政府を必要とせずに、DAIを運用および維持しています。
具体的に言えば、Makerプロトコルを機能させるには、次の2つのタイプのトークンが必要となります。DAIとMKR.
DAIは、ユーザーがDAIでローンを組む目的でMakerプラットフォーム上で他の暗号資産をロックしたときに作成されます。ユーザーは借りていたDAIを返済して、この暗号資産を請求することができますが、その価値が一定のレベルを下回らないように、あるいは自動的に売却されないように注意しなければなりません。
(DAIの運用法についての詳しい情報は、「の開発者とは」ガイドをお読みください。)
しかし、DAIがMakerプロトコルの提供する最良のサービスであると考えられる場合、MKRが、DAIを流通させているプロトコルの変更方法を統治する暗号資産となります。
簡単に言えば、MKRトークンによって、ユーザーはDAIの使われ方に影響を及ぼす提案について投票ができるようになります。
例えば、MKRトークンの保有者は、どの暗号資産をプロトコル上でロックできるか、あるいはロスカットでそのような資産を売るときの価格について投票することができます。
2020年現在、Makerプロトコルは8つの暗号資産を受け入れており、ETH、MANAおよびBATなどを使って、DAIを生成することができます。
MakerDAOの開発者とは
Makerプロトコルは、ルーン・クリスチャンセン(Rune Christensen)氏をリーダーとする開発者グループが2015年に構築しました。このグループはその後、ケイマン島の企業であるMaker Foundationを形成しました。
2017年Makerチームは、MKRトークンをAndreessen Horowitzなどの著名なベンチャーキャピタルに売却し、1,200万ドルを調達しました。売却先には、暗号資産ファンドのPolychain Capitalや、1Confirmationのようなベンチャー企業も含まれていました。
2018年、さらに150億ドル相当のMKRトークンが、Andreessen Horowitzに売却されました。同社は、DAIシステムの統治に協力することでMakerDAOに参加する意思があると、その当時述べていました。
Makerは2019年に、アジア展開のために、ベンチャー企業のParadigmとDragonfly Capital Partnersから2,750万ドルを追加調達しました。
MakerDAOはどのように機能しますか?
ローンチ時、Makerプロトコルを管理するために100万個のMKRトークンが作成されました。
これらMKRトークンの所有者であれば誰でも、エグゼクティブ投票と呼ばれるプロセスを使って、主要な決定事項に投票することができます。エグゼクティブ投票が可決されると、Makerプロトコルのコードが変更され、可決された提案が反映されるようになります。
ただし、エグゼクティブ投票が実施されるようになるには、最初に他の形式の投票が行われなければなりません。これはプロポーザルポーリングと呼ばれており、この方法によって、MKR保有者はプロトコルに変更を加える前に、提案の受け取られ方を判断することができます。
3つめの投票タイプもあり、これはMKRの非保有者もMakerDAOフォーラムのスレッドを使って投票することができます。
しかし、MakerDAOには誰でも提案することができますが、その提案に投票できるのはMKR保有者だけです。投票は、提案に投じられたMKRトークンの額によって数えられます。
例えば、1,000個のMKRを持つ10人が提案Aに投票し、5,000個のMKRを持つ5人が提案Bに投票する場合、支持するMKRトークンが多いので、提案Bの勝ちとなります。
トークン保有者の数ではなく、トークンの数だけが、投票結果に影響を与えます。
DAI貯蓄率
重要なのは、プラットフォーム上でDAIを貯蓄している場合にDAI保有者の獲得可能額を決めるのは、MKR保有者であるということです。それによってDAI保有者が得る額はDAI貯蓄率と呼ばれています。
DAI貯蓄率は高いときには年8.75%、低いときには年0%となっています。実際、3月の市場崩壊によって貯蓄率がゼロに設定されると、DAIは$1を大幅に上回る額で取引されるようになりました。
市場崩壊の後、MKR保有者は、DAI貯蓄率を0%に設定することに投票し、DAIの価格を1ドルに近づけ、DAIの売却を奨励しようとしました。
このケースでは、MKR保有者は期待に添って投票したのです。
DAIの価格が上昇して1ドルを超えるようになると、MKR保有者は貯蓄率の引き下げに投票して、需要を減らし、価格を下落させようとすると予想されます。
DAIの価格が1ドル未満になれば、MKR保有者は貯蓄率の引き上げに投票して、DAI所有の需要を増やし、価格を上げようとするはずです。
なぜMKRに価値があるのか?
MKRは、Makerプロトコルの利用が増えると価値が高まるはずです。システムがうまく機能しているときにはMKRの供給が増え、ガバナンスがうまくいっていないときには供給が増えるからです。
ただし、投資家が注意すべき点があります。存在可能なトークンの総数には何の制限もないという点です。MKRトークンは2つのシナリオで作成または削除され、そのシナリオはオークションによって管理されます。
Makerシステムが想定どおりに機能している場合、システム内に暗号資産を保管しているユーザーから手数料を徴収し、DAIを生成するはずです。
余剰オークション
徴収された手数料が、MKR保有者の設定した額を超えると、Makerシステムは余ったDAIを売るためのオークションを開催します。この余ったDAIはMKRで購入しなければなりません。このプロセスは、余剰オークションと呼ばれています。
オークションが終了すると、MKRが消去され、MKRの総供給量が減ります。MKRの供給が減ると、トークンの価格が上がります。
債務オークション
他方、物事が順調に進まず、ロックされているコインが初期の価値より安く売られると、Makerシステムは債務オークションを通じて資金を調達する必要があります。
債務オークションではシステムが新しいMKRトークンを作成し、DAIのオークションを行います。このタイプのオークションにより、MKRトークンの総供給量が増え、結果的に価格が安くなります。
そのため、MKR保有者は、Makerシステムがスムーズに運営されるようにし、ユーザーからより多くの手数料が生成され、結果的にMKRの供給量が減るようにしたいと考えます。
MKR保有者が愚かな投票をした場合、ロックされていたコインが自動的に安い価格で売られるようになり、MKRトークンの供給量が増加します。
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MKRを利用する理由
Makerプロトコルの運営についての重要な決定に参加したいと思っているのなら、MKRを使いたいと思うようになるでしょう。
より多くのMKRを保有するようになると、プロトコルで使う暗号資産の選択、あるいはDAIを生成するために使用可能な現実世界の資産についての発言権を強められるようになるでしょう。
投資家は、このプロトコルの導入が増加している現状に対応したいと思うのであれば、MKRの所有を考えるかもしれません。Makerプロトコルが広く使用されるようになり(そして、順調に運営されていれば)、MKRトークンは暗号資産ポートフォリに追加すべき価値のある資産となるかもしれません。
MakerDAO(MKR)を購入してみる
それでは次のステップに進み、MKR MakerDAOを購入してみましょう。